静かな森の中で喫茶店を開くのが夢だと言っていた。

君は歩幅が大きくて、人生の歩みも早い。急いで歩いても置いて行かれてしまうからはぐれないように手を握っている。

 

音楽に耳を傾け、窓から落ち葉が散るのを見ていた。

幸せな、穏やかな空間に酔いしれて、溶けてしまいそうだ。ため息をつきながら君が淹れたコーヒーを飲んだ。

さあ、開店時間だ。

 

櫨染めの落ち葉の上を音を立てて歩く君を微笑んで、手元のカメラに映した。

 

君の揺れるスカート、なびく髪でさえ絵になる。

夢を見ているようだ。

 

あれから大人になって横目で見た君の横顔は美しく、可憐で。時が止まればいいとため息をついて、君の淹れたコーヒーを飲む。

 

穏やかな空間二人色付き合い、二人のあいはもう時を戻せない。

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